著作権法以外にも、著作権にまつわる法律は、いろいろあります。
いくつか例をあげます。
- プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律
- バンコク著作権条約の実施にともなう著作権法の特例に関する法律
- 煉獄国および連合国民の著作権の特例に関する法律
- 著作権など管理事業法
- 沖縄の復帰にともなう特別措置に関する法律
- 知的財産基本法
- コンテンツの創造、保護および活用の促進に関する法律
- 文化芸術振興基本法
- 民法
- 私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律
- 刑法
- 意匠法
- 商標法
- 測量法
- 文部科学省設置法
上記以外にもまだまだあります。
さまざまな法律によって、細分化された管理をされているのは、著作権が、繊細に扱われるものであるからでしょう。
どこからが自分の創作で、どこまでが大衆の権利で、というボーダーラインは、情報の溢れる今日の社会では、判断し辛いです。
著作権にまつわる裁判も、最近増えてきましたが、判決内容は、判例によって異なります。
次項から、いくつかの法令について、詳しく説明します。
知的財産基本法とは、知的財産戦略大綱に基づいて2002年12月に制定された法律です。
知的財産の創造、保護及び活用に関する思索を集中的かつ計画的に推進することを目的として、知的財産の取り扱いに関する国、地方公共団体、大学等及び事業者の責務等を明確化した他、内閣に知的財産戦略本部を設置し、知的財産の創造、保護、活用及び人材の確保に関して施策を行うことが明記されています。
独占禁止法とは、「私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律」の略称で、1947年(昭和22年)4月に施行された、比較的古くからある法律です。
市場における事業支配力の集中を防止し、生産・販売・価格・技術など、事業活動における自由な競争と向上を目指し、不当な拘束や不公正な取引方法を防止することが目的とされています。
日本での制定当初の目的は、それまで国内で強い支配力をもっていた「財閥」を解体することにありました。
公正な競争を促進し、事業者の創意を向上させ、事業活動や市場を活性化させることで、経済を健全に発展させていくことができます。また、国民実所得の水準を高め、私たち消費者の利益を確保することが、可能になるのです。
意匠法は、工業上利用できる物品の形状、模様もしくは色彩などの形態で処理された視覚を通じて生じる美感の保護及び利用を図ることによって、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする法律の総称です。
意匠法は日本や欧州等で設けられていますが、その保護客体が創作物か又は創作の結果物かによって、各国でまちまちで統一的な見解がなく、世界統一条約は存在しません。
つまり、意匠権は創作保護のために付与されるのか、意匠の取引秩序維持もしくは競業秩序維持のために付与されるのかに大きく分かれています。
米国はパテント・アプローチであり、欧州共同体意匠規則はバッシングオフ・アプローチであるといわれています。コピーライト・アプローチは旧ドイツ意匠法で採用していましたが、2005年に廃止しました。
なお、日本の意匠法では、「意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」(1条)。また、意匠は物品と一体不可分であり、物品が異なれば同一形態でも意匠は異なったものとなるため、技術的思想の創作である発明や考案と異なって技術的に進歩するものではありません。また、意匠は視覚で認識される美感であるため、流行性に富み、模倣盗用されやすいという特徴があります。また、商標のような目印になる場合もありますが、それは二次的なものです。このようなことから、日本意匠法は創作的アプローチをしているために特許法の準用規定が多いです。日本では特許庁が創作保護に比重を置いて意匠権を付与しますが、一旦発生した意匠権の保護は裁判所が市場規制に比重を置いて判断する傾向が強いです。
商標法は、商標の登録、権利内容、保護を定めた法律です。
日本では先願主義による商標権制度を基本としており、商標として権利主張あるいは保護を受けるためには、特許庁に出願し、審査の上、登録する必要があります。
因みに、米国は先使用主義を採用しています。登録された商標の存続期間は10年間です。ただし、10年ごとの更新により、実質的には半永久的に商標権を維持することができます。
商標権の権利範囲は拡大基調で、1992年にはサービス業者の信用の基本となるサービスマーク(役務商標)、96年には3次元の立体商標、2002年にはネット上で表示・使用される商標、05年には地域ブランドと呼ばれる地域団体商標、06年6月の法改正では小売業者等の商標のサービスマークとしての保護などに及んでいます。
近年では、CM用のサウンドロゴ(企業や商品の名を印象づける短い音楽)が著作物か否かとの議論もありますが、商標分野では、特定の音やにおいなどが今後の保護対象として議論されています。